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VirMesh Protocol: The Federated Metaverse
VirMesh(VirMesh Protocol)は、企業が一括管理する中央集権型のメタバースではなく、誰もが自分のサーバーを立てて相互接続できる分散型メタバース基盤を目指すプロトコルです。公開鍵をアカウントの識別子として用いることで、中央の認証に依存せず「そのアカウントの持ち主である」ことを証明でき、一部サーバーの障害やサービス終了があってもコミュニティ全体が失われにくい、持続的なメタバースの実現を狙います。
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既存の中央集権型メタバースで指摘されること
- サービス終了や仕様変更の影響を強く受ける
- コミュニティやワールドの継続性が運営企業に依存する
- プレイヤーの ID やソーシャル情報の移行が難しい
- ワールド運営や拡張にプラットフォーム固有の制約がある
- 各プラットフォームのグローバルなガイドラインや法務判断の影響を受けやすい
VirMesh は、ActivityPub に近いサーバー間接続、AT Protocol に近い移行性の重視、Nostr に近い公開鍵ベースの ID 設計などを参考にしつつ、それらを 3D 空間とリアルタイム交流に適用することで、これらへの思想的・技術的な別解を探します。既存の分散 SNS が主にテキスト中心の投稿やソーシャルグラフを扱うのに対し、VirMesh は同様の設計思想を 3D 空間・リアルタイム同期・ワールド運営へ広げる点に立ちます。
体験イメージ
インターネット上の 3D 仮想空間「メタバース」のサーバーを、誰でも立てられるようにします。プレイヤーは有志または自分が運用する VirMesh サーバーに接続し、そのサーバーに公開鍵を登録してアカウント ID として利用することで参加します。他の参加者が運用するサーバー上の ワールドに入り、アバターで移動・会話もできます。特定の 1 台のサーバーに障害があっても、ネットワーク全体の停止に直結しにくい構成を想定しています。
想定する利用者(思想との対応)
- 長期的に遊び、コミュニティを育てたい人:デジタル資産と関係性を、単一サービスの寿命に過度に賭けたくない。
- ワールドやコンテンツを自ら運び、公開の方針を自分で決めたいクリエイター:プラットフォーム固有の規約変更に人生の作品を縛られたくない。
- プロトコルを読み、拡張し、クライアントや機材を試したい人:「与えられたクライアントだけが正」ではない世界への関心。
アーキテクチャの概要
思想を実装に落とすとき、役割分担は次のように整理します。
| 役割 | 主な責務 |
|---|---|
| プレイヤーサーバー | アカウント情報を他サーバー向けに公開。フレンド所属サーバーとのオンライン情報などの同期。 |
| ワールドサーバー | 地形・オブジェクト・物理、入退室、位置同期、ボイスチャットなど。 |
| エクスプローラーサーバー | ワールドのレコメンドや検索(プレイヤーサーバー経由でアクセス)。 |
プレイヤーとワールドの分離は、効率のためだけではありません。ワールド運営者に「全ユーザーのアカウント基盤を自前で作らせる」負担を押し付けず、プレイヤー側は自分の身元の帰属をプレイヤーサーバー側に置いたまま複数の世界を渡り歩くという責任と自由の分離を、プロトコルとして表現します。
各ワールドサーバーが入場可否を決められ、プレイヤーサーバー同士は特定の相手との連合を拒否することも可能です。
アカウントと ID
- アカウント作成時に公開鍵・秘密鍵のペアを生成する
- ID は公開鍵そのものとし、VirMesh 固有の中央採番なしに実用上衝突しにくい一意識別子とする
- メッセージの署名・検証で本人性を示し、単一の認証サーバーへの依存を下げる
- 人間向けには
user@example.com形式のハンドルも用意し、ドメインから名前解決して実IDとプレイヤーサーバーを取得する(可読性と、鍵に紐づく永続性の両立)
この文書群の位置づけ
この VirMesh.Docs は、設計思想 に示す価値観に沿って、プロトコルのエラー型、トランスポート、身元(identity)などを具体化した仕様・データ定義をまとめたものです。
入口である本稿では概要だけ触れ、倫理・主権・連続性・多様な自治・空間の重さといった議論の本線は設計思想の稿に譲ります。思想はスローガンではなく、拒否できるか、検証できるか、移行の話ができるかといった設計判断に落ちる——そのつもりで読み、足りなければ仕様側と往復してください。